『高橋名人の冒険島』は1986年ハドソンより発売のファミコン・アクション・レトロゲーム。ファミコン最高難易度を誇るゲーム。名人はこれ1時間でクリアできたの?
――って、そうじゃない。名人はゲームが上手いから名人じゃないんだよ
『高橋名人の冒険島』の基本情報
- ジャンル:アクション
- 発売元 :ハドソン
- 発売日 :1986年9月12日
『高橋名人の冒険島』の対応機種
- ファミリーコンピュータ
- Wii、WiiU(バーチャルコンソール)
など。
『高橋名人の冒険島』のストーリー
僕らのヒーロー・高橋名人が、南洋に浮かぶ謎の冒険島で大活躍。というのも、高橋名人の心の恋人ティナが、この島に潜む悪の大王キュラにさらわれてしまったからなのだ。島の中は森あり、山あり、洞くつあり……。オマケにいろいろな敵も隠れている。さあ、この難関をのり越えて、大王を倒し、無事にティナを救い出すことができるだろうか?
ガンバレ名人!!<取扱説明書より>
『高橋名人の冒険島』のプレイ雑感
高橋名人はかく語りき
『ゲームをする時間は1日に1時間だけにすること。だらだらと何時間もプレイするよりは、1時間だけ集中してプレイしたほうがうまくなるのが早いんだ。』
<取扱説明書より>
いやいや、いやいやいやいや、無理でしょこれ! 1時間でクリアとか無理無理でしょ!?
『高橋名人の冒険島』はファミコン最高難易度を誇るゲームとして有名らしいね。ダッシュやジャンプで軽快に進める――かと思いきや、急に現れる罠につかまったり、プレイヤーの行動パターンを分析してジャストな位置に配置したとしか思えない障害物や敵の数々は「嫌らしい」の一言に尽きる
「スケボー」はパワーアップアイテムじゃないの? コントロールし切れなくてそのまま敵に当たったり、穴に落ちちゃったりするのは私がアクションゲーム苦手だからなの? 名人はこれホントに1時間でクリアできたの? てか、前から気にはなってたんだけども、名人って何者!?
君、今回はいつも以上にテンション高め、まくし立てるように喋るね。これは相当きてるね。
相当きてますとも!
調べてみると、アクションゲームが上手な人でも何度もコンティニューを繰り返して、クリアするのに12時間以上かかるんだって。中には28時間もプレイしてようやくクリアしたって猛者もいるみたいだよ
なにそれ、無理ゲーすぎでしょ!?
それで、今回は前々から気になってた、ファミコンゲームをやってるとよく出てくる「高橋名人」についても調べてみたんだけども――
きっとすごいゲームの達人なんでしょうね~、『高橋名人の冒険島』くらい1時間でクリアできるんでしょうね~
まあまあ、そう皮肉らないであげてよ、調べてみたら名人がすごい苦労人だったってことがわかったんだからさ
え、それってどゆこと?
まず衝撃の事実からなんだけど――「高橋名人」はべつにゲームの名人じゃない
え!?
もともとはゲーム会社の普通のサラリーマンだったんだけど、当時会社の宣伝塔として宣伝部で平社員だった高橋さんに白羽の矢が立ち、そんな高橋さんは当然社長命令を断ることはできず、本当はイヤだったけど引き受けざるを得なかったそうな
……で、でもゲームは上手だったんだよね? じゃなきゃこんなに有名にはならないよね?
ところが名人はゲームが下手だったんだ。ゲームのイベントでは子供たちの夢を壊さないためにもゲーム発売の2ヵ月前からデモンストレーションのところだけを猛特訓したらしい
……なんだか胃に穴があきそうな話だね
名人自身も相当葛藤があったみたい。「本当はゲームがヘタなのに上手いふりをして子供たちをだましている」――そんなプレッシャーからストレスと疲労で全身じん麻疹ができたって、本人がテレビで語ったことがあるんだよ
め、名人……
子どもたちに大人の事情を説明するわけにもいかなかっただろうしね。つらかったと思うよ、名人も
偉いよ、名人! 間違いなくあなたが名人だよ! なんか、『高橋名人の冒険島』がむずかしすぎて八つ当たりしてた自分が恥ずかしいよ、私!
名人は今でも名人として親しまれてる。それは当時の子供たちの夢を壊すことなく守り続けたってことだと思う。それって本当にすごいことだよね
うんうん! さっきはあまりのむずかしさに逆切れしちゃったけど、ゲームとしては最高におもしろいよ、『高橋名人の冒険島』!
急にノットアンチ化したね、君
ポップで明るいムードがいい感じ!
ま、否定はできないね
そんな『高橋名人の冒険島』は近年の最新ハードでは移植がないよね? これはそろそろ『ニンテンドースイッチオンライン』とかでまた配信してほしいところ!
現代の子どもたちにもぜひ名人を楽しんでほしいレトロゲームだね
おしまい。
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