『よむかも』な本の基本情報
- 著者 :川瀬慈
- 出版社 :音楽之友社
- 定価 :3000円+税
- 発売日 :2020年10月27日
- 単行本 :252ページ
- ISBN-10:4276135710
- ISBN-13:978-4276135710
『よむかも』な本のポイント
- エチオピアで音楽を生業にして生活する芸能集団アズマリについて。
- 今まで知らなかった世界と出合える一冊。
『よむかも』な本のレビュー
- 『エチオピア高原の吟遊詩人:うたに生きる者たち』よむかも。
- この本は、エチオピアで音楽を職能として生きるアズマリについて。
- アズマリが担ってきた歴史的役割から、現在の活躍まで。
- 著者は映像人類学を専門とする川瀬慈さん。エチオピアとの出合いは偶然に。
- 京都大学時代、エチオピアで長年研究してた恩師が「一緒に行かないか?」
- ――で、行ったらはまった。病気になったりだまされたりしたけれど。
- トラブルを解決してくうち深まる愛着、もはや第二の故郷エチオピア。
- そして興味を持った「アズマリ」音楽を生業にして生活する芸能集団。
- 20年経った今も研究を続けてる。
- 学生時代は暦がひと回りする期間滞在。農作業や祭りなどを共にしたことも。
- そうした交流を中心に、エチオピアや各地での体験をまとめましたこの本。
- アズマリは普段は道化的な印象。けど人間に対する観察力すごー。
- 酒場で初めて会った相手でも「コイツ噓つき、気をつけろ」
- 国籍も民族も関係ない、その人の本質を読んでしまうところあるある。
- 当時のアズマリは酒場を回り、出会った相手の特徴を織り込み即興的に演奏。
- 日本でいうと「流し」みたいな。相手を持ち上げ気分を上げて、はいチップ。
- それが仕事。だからこその人間観察力。
- 最初は警戒して心を開かない大人より好奇心いっぱいの少年と仲よくなった。
- そんで彼らが使う隠語を覚えた。そしたらだんだんと仲間になれた。
- アズマリだけに通じる秘密の言葉。それがないと彼らと心の交流はできない。
- 秘密を共有することで連帯意識はずっと高まった。
- とはいえ、仲良くなるのもいいことばかりではないそう。
- 医療費や家賃の世話したり田舎の親戚づきあいみたいな。
- そんな20年間の思いや経験――
- この本を読めば、アズマリの世界の流れも変化していることが感じられる。
- 今、政府や省庁レベルで「放浪の芸人」から「文化遺産」にプロデュース。
- しかし、そちらに閉じ込められちゃうと、そがれてしまうものがある恐れ。
- それは即興性に支えられた、豊饒な創造性。注意深く見守ってる。
- アズマリの歌は一見、滑稽な言葉遊びのよう。
- しかし、それは掛詞のようにして死生観を読み込んだものである。
- それこそ芸能の本質。
- 生と死の、超越的な世界と戯れる、神と戯れる。
- それは日本の中世的な芸能の世界にも響き合う。
- 遠いようでいてどこかつながり響き合う、日本とエチオピアと。
- 今まで知らなかった世界と、本を通じて出合う喜びがここにある一冊。
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