『よむかも』な本の基本情報
- 著者 :佐藤究
- 出版社 :KADOKAWA
- 定価 :2100円+税
- 発売日 :2021年2月19日
- 単行本 :560ページ
- ISBN-10:4041096987
- ISBN-13:978-4041096987
『よむかも』な本のポイント
- 「○○賞受賞!」に踊らされたくない気持ちはあるけど、あるけど。
『よむかも』な本のレビュー
- 『テスカトリポカ』よむかも。
- 山本周五郎賞・直木賞W受賞っていうね。
- 暴力とアステカ神話が融合した壮大なクライムノベルである。
- 1996年、メキシコ。
- 麻薬密売組織による地域支配から逃亡したルシア。その顛末。
- そして支配する側であるバルミロ・カサソラ。
- 自分たちの一族はアステカ時代の神官の末裔と祖母から教えられて育った。
- 彼は当時の儀式に倣い、殺害した敵の心臓を神に捧げてきた。
- 永遠の若さを生き、すべての闇を映し出して支配する神、テスカトリポカ。
- 2015年、敵対する組織から壊滅的な攻撃を受け家族を喪う。
- バルミロは、世界各地を転々としてジャカルタに潜伏、再起を期す。
- そこで臓器売買をしている日本人、末永に出会う。
- 心臓密売を持ちかけられる。
- 末永もまた国外逃亡者だ。
- 元心臓血管外科医であり、やはり再起の機会をうかがっていた。
- 心臓を巡る新ビジネスは川崎で準備され、実行されていく。
- そこにルシアの物語が絡み合い――。
- ……いや、これ、あらすじで伝えるの無理くねって。
- 550ページを超える大作だからね。とにかく読め、としか。
- 細部に至るまで隙のないリサーチ、ノンフィクションさながらの硬質な文体。
- リアリティーに惹き込まれる。
- この悪夢のようなビジネスはじつは現実ですでに展開しているのでは?
- そんな恐怖を覚えるそう。
- 犯罪者の視点から社会を見つめる。
- 構造的な暗部とともに、信仰の真実も明らかにしていく。
- まさにテスカトリポカよろしく、資本主義の暗い闇を映し出す。
- 傑作である。
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