『よむかも』な本の基本情報
- 著者 :金澤周作
- 出版社 :岩波書店
- 定価 :860円+税
- 発売日 :2021年5月24日
- 新書 :280ページ
- ISBN-10:4004318807
- ISBN-13:978-4004318804
『よむかも』な本のポイント
- なぜイギリスではチャリティが当たり前の社会が形作られたのか?
- 人類愛や弱者への憐れみ?
- 英国社会のしたたかさ。
『よむかも』な本のレビュー
- 『チャリティの帝国:もうひとつのイギリス近現代史』よむかも。
- チャリティとか、フィランソロフィーだとか――
- 英国のある伝記事典では、収録総数6万人余のうち約10%の項目に出てくる。
- 英国の個人寄付は名目GDP比で日本の4倍。
- 他の欧州諸国と比べても同国の活発なチャリティは際立ってる。
- なぜチャリティが当たり前の社会が形作られたのか?
- チャリティを通して英国の近現代史を描く。
- 「困っている人が救われる社会は好ましい」
- 英国ではこの感覚が歴史的に次第に広がっていった。
- とはいえ、チャリティは不平等が前提の「保護」であることに変わりはない。
- でも、普遍的人類愛や弱者への憐れみがチャリティを広めた主要因じゃない。
- 公的救済の範囲を狭めるという実利がチャリティの普及を後押しした。
- 英国社会のしたたかさを感じられる一冊。
チャリティの帝国――もうひとつのイギリス近現代史 (岩波新書, 新赤版 1880)
イギリス独自の重層的なセーフティネットの中で、社会の「錨」のように今日まで働き続けてきたチャリティ。自由主義の時代から、帝国主義と二度の大戦をへて、現代へ。「弱者を助けることは善い」という人びとの感情の発露と、それが長い歴史のなかでイギリス...
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