『よむかも』な本の基本情報
- 著者 :平野啓一郎
- 出版社 :文藝春秋
- 定価 :1800円+税
- 発売日 :2021年5月26日
- 単行本 :456ページ
- ISBN-10:4163913734
- ISBN-13:978-4163913735
『よむかも』な本のポイント
- 近未来の日本、合法化された「自由死」を望んだ母。
- その本心を知るため、息子は母を最新技術で再生。
- 現代人が向き合う愛の物語。
『よむかも』な本のレビュー
- 『本心』よむかも。
- 日本人がこれから真剣に向き合わざるをえないテーマ。
- 格差。死の自己決定。生活や仕事のヴァーチャル化。
- 2040年代に生きる主人公、朔也の目線で描かれる。
- 自由死を望みつつ、事故で亡くなった最愛の母を再生する――。
- 朔也は遺された保険金で母のヴァーチャル・フィギュアを作る。
- 自分という息子との平穏な生活を終わらせたかった母。
- その本心を、どうしても知る必要があると思ったから。
- そんななか。母が生前に親しく交わった人。
- 朔也がリアルアバターの仕事をするうちに出会った人々。
- 交流が生まれる。
- 人生が開けていく。ほろ苦い失恋のような体験もする。
- ロスジェネ世代が高齢者になっていく。社会はそれを戦々恐々と眺めてる。
- 朔也たちはその子供世代。この社会をどうやって生きていくんだろう?
- 少子高齢化、気候変動、経済格差の拡大。シングルマザーの貧困化。
- 今だって若者たちは不安定な労働環境で長時間労働している。
- それは今後改善される気配もなく、きっと続いていくだろう。
- 友だちや恋人を作ろうにも時間もお金もない。
- 母子家庭で育った若者は、母親と一緒にいるときだけ、生きていて心地いい。
- その突然の喪失感を埋めることができない。
- でも母親以外の人たちとの関係のなかで、悲しみは間接的に克服されていく。
- 母親も一人の他者であり、その本心は複雑で完全に理解することはできない。
- すぐに答えは見つからない。でも苦しさから立ち直っていくことはできる。
- 繊細すぎる、頼りない。本の中に入って、ひとこと言ってやりたくなる。
- 私の子どもたちの未来は大丈夫だろうか……?
- 日本がよくなるビジョンは見えない。でも技術ばかりは進歩していってる。
- 何を身につけさせれば、彼らは幸せになれるんだろう?
- 考える。
本心
『マチネの終わりに』『ある男』と、ヒットを連発する平野啓一郎の最新作。 舞台は、「自由死」が合法化された近未来の日本。最新技術を使い、生前そっくりの母を再生させた息子は、「自由死」を望んだ母の、を探ろうとする。 母の友人だった女性、かつて交...
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