『よむかも』な本の基本情報
- 著者 :寺尾文孝
- 出版社 :講談社
- 定価 :1800円+税
- 発売日 :2021年6月2日
- 単行本 :354ページ
- ISBN-10:4065238781
- ISBN-13:978-4065238783
『よむかも』な本のポイント
- 上級国民は確かに存在している。
『よむかも』な本のレビュー
- 『闇の盾:政界・警察・芸能界の守り神と呼ばれた男』よむかも。
- 上級国民。最近、SNSとかでもよく見る言葉。でも、その意味は?
- 単に富裕層。政治力などを利用して罪や責任から逃れる特権階級。
- 最近は後者の意味で使われていることが多い。
- しかし、はたして上級国民は実在するのだろうか。
- それは、我々が生み出した幻想に過ぎないのだろうか。
- ……いや、上級国民はたしかにいる。
- この本を読めば、疑念に確信を得られるだろう。
- 著者は危機管理会社「日本リスクコントロール」の社長さん。
- この会社、ご存知の方はいるだろうか?
- 聞き覚えがない? それもそのはず。
- ホームページもなければ、電話番号も公開されてはいない。
- 宣伝もせず、完全紹介制である。
- 驚くのはその会費。
- トラブルの最終処理まで面倒をみる「A会員」様、年間2千万円。
- 助言までしか行わない「B会員」様でさえ、年間500万円。
- 危機管理を謳ってはいるが、実態はトラブル処理会社であるという。
- 政治家から大物ヤクザまで、相談者は後を絶たないとも。
- フィクションじゃないかって?
- いいえ、実在する人物の、トラブルシュータ―としての回想録です。
- 政財界の闇につながるエピソードが満載なのです。
- なんで大金を払ってまでその人を頼るんだろうね?
- 著者を支えるのは警察組織に張り巡らされたネットワークである。
- ノンキャリアとして警視庁に入るが、20代半ばで退職。
- レース生地の転売業で成功するが――
- 元警視総監で政治家の秦野章氏の私設秘書に。
- それを契機として、警察庁幹部や権力者たちと深い関係を築いた。
- その秘書時代のエピソードが中心。
- 事件として表面化せず、著者が闇に葬り去った案件のなんと多きことか!
- 30年以上前の出来事だけど、登場人物の9割方は実名ってインパクトでかい。
- 地位を守るためならば、あらゆる権力が利用される。
- そんな事実に言葉を失う。
- 昔の話?
- いいえ、権力者によって恣意的にルールが使われる構図は今でも残ってる。
- バブル時代は狂っていたから?
- 今の方が狂っていると思う人はきっと少なくないのではなかろうか。
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