- 『勤勉革命:資本主義を生んだ17世紀の消費行動』よむかも。
- 著者:ヤン・ド・フリース 翻訳:吉田敦、東風谷太一 出版社:筑摩書房
- 定価:4000円+税 発売日:2021年3月19日 単行本:448ページ
- ISBN-10:4480861378 ISBN-13:978-4480861375
- 勤勉革命とは何ぞや?
- 英国で産業革命が生産性を高めた。
- けど、江戸時代の日本ではガンガン労働投入して生産物を増やしたって話。
- でもじつは、産業革命初期までは欧米でもガンガン労働投入してたって話。
- (世帯全員が生産行為や商業サービスに参加してた)
- 産業革命初期、時間当たり賃金は全然増加しなかったって。
- 「ガンガン労働投入 → ガンガン商品を生む → 消費拡大」
- すなわち、労働投入の拡大と消費の拡大は相乗的であった。
- 「分業による商品の大量生産 → 商品を求める人々の労働増加」
- 「欲しいものを手に入れるためには、より多く働かなくちゃいけない」
- 要するに「生産が消費を」ではなく「消費が生産を」拡大させていた。
- この本は、確かにそのことを示している、ように思えるって。
- コーヒーとか白パンとか。懐中時計とか蒸留酒とか。陶磁器とか。
- さまざまなものが、魅力的な商品として挙げられる。
- 妻や子どもも市場で働き、所得を手にする。
- そして彼らの欲求に沿ったものを購入するようになる。
- (子どもも働いて好きなものを買えた、っていいね)
- (まあ将来のことを考えると学校行って勉強せななんやろうけれども)
- (でも今はYoutubeとかブログとかいろいろあるし)
- (うまくやれば子どもでもやれそうなんだよね……)
- しかし19世紀半ば、産業革命が所得の上昇を生み出したことが明らかに。
- その後、女性の就業率は低下。家計に占める夫の所得の比率が上昇する。
- 「大黒柱と内助の功」モデルの成立であった。
- なぜそうなったのか?
- そのモデルが市場では得られない魅力的なものを家族に提供できたから。
- 「家庭の落ち着き、清潔さ、快適さ」を妻が提供する。
- それを夫は「心地よいもの」と評価するようになった。
- 結果、ますます多くの男たちが給料をそのまま妻に渡す。
- 一定額のお小遣いを妻から受け取るようになる。
- 日本でいえば「夫は外で働き、妻は家庭を守る」モデル。
- 現在の観点では反論があるところかも。(逆に賛成もあるかも)
- (大黒柱を妻が、内助の功を夫が担ってもいいわけだしね)
- 事実、当時も「女性の立場を弱める」って批判があった。
- でも再び女性の就業率は上昇、20世紀初期の欧米でもM字カーブが現れる。
- (M字カーブは子どもを産み育てる期間女性の就業率が低下するグラフ的特徴)
- 今日本に起きていることが、じつは日本だけの状況じゃないことがわかる。
- 生産を担う企業よりも生産されたものを消費する家計が経済を動かす。
- なかなか新鮮な発見ができる一冊だって。
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