いま絵本の世界が変わってきてる! これまでタブーとされていたテーマ、新時代の世相を反映した絵本が増えてきてる
恋・LGBT・マネー・怪談・戦争・哲学・社会問題……子どもと一緒に読みたくなる。新時代の絵本のおすすめ!
新時代の絵本のおすすめ!【2020春】
恋をテーマにした新時代の絵本
ぼくのポーポがこいをした [村田沙耶香 (著), 瀧井朝世 (編), 米増由香 (画)/岩崎書店]
- 発売日 :2020年4月10日
- ページ数:32ページ
芥川賞作家・村田沙耶香さんが書いた絵本。絵本なのにまるで純愛小説のような導入部。しかも、おばあちゃんとぬいぐるみが? つづきがすごい気になるし、一気に引き込まれるね
王子さまとお姫さまの恋を描く絵本や童話は昔からある。だけど恋愛観や結婚観は時代を経るに変化してる。『恋の本シリーズ』はいまの感覚に響く絵本だよね
絵本でリアルな恋愛を題材にするのは批判もあるけど、幼稚園の子どもとかって告白ブームがあったりして、けっこう早熟なんだって
恋とか性とかの教育については早すぎるってことはないのかなってたまに思うんだよね。大人も子どもも楽しめる絵本だね
LGBTをテーマにした新時代の絵本
レッド あかくてあおいクレヨンのはなし [マイケル・ホール (著), 上田勢子 (訳)/子どもの未来社]
- 発売日 :2017年1月20日
- ページ数:40ページ
同性愛やトランスジェンダー、性の在り方が多様化してる、そんな時代を反映したLGBT絵本も増えてきてるね
『レッド』は小学校の読み聞かせでも人気があるんだって。LGBT絵本だけど、人の多様性についても広く学べるよ
見た目と自分の本質が違うって悩むこと、誰にでもありそうだよね
そんな悩みをどう乗り越えていくのか、考えどころだよね
王さまと王さま [Stern Nijland (著), Linda de Haan (著), Andrea Germer (著), アンドレア・ゲルマー (訳), 眞野豊 (訳), リンダ・ハーン (画), スターン・ナイランド (画)/ポット出版]
- 発売日 :2015年8月26日
- ページ数:36ページ
王子さまミーツ王子さま。脱プリンセスストーリー!
タイトルのとおり、わかりやすいLGBT絵本だね。孫といっしょに読んだおじいちゃんおばあちゃんの反応が気になるところ
タンタンタンゴはパパふたり [ジャスティン・リチャードソン (著), ピーター・パーネル (著), ヘンリー・コール (画), 尾辻かな子 (訳), 前田和男 (訳)/ポット出版]
- 発売日 :2008年4月16日
- ページ数:32ページ
ニューヨークのセントラル・パーク動物園で雄のペンギンのカップルが協力して巣の卵を温めて育児をしたって話。実話なんだって
出版当初はALA(米国図書館協会)の「最も批判を受けた図書」で3年連続1位に選ばれた絵本
それだけ聞くと子どもに読ますのをためらっちゃうよね
とはいえ、現在ではLGBTに対する関心も理解も高まってきてるし、絵はふつうにかわいくて、人権とか男女の違いとか、むずかしい内容じゃない。小さい子の読み聞かせにいいんじゃないかなって思うよ
マネーをテーマにした新時代の絵本
おかねをかせぐ! 生きるのにかかせないお金のはなし [シンダーズ・マクレオド (著, 画), 田中靖浩 (訳), 大加瀬裕美 (訳)/岩崎書店]
- 発売日 :2019年11月19日
- ページ数:32ページ
「子どもにお金の話はするな!」って、昔はよく言われてたんだって。子どもを想ってのことだとは思うけど、私は少しでも早くお金については教えるべきだと思うな
この絵本ではにんじんがお金。大人が危惧するお金の生々しさのようなものはないから、「お金について教えるにはまだちょっと早いかな」くらいの子どもに読み聞かせするのにおすすめだよ
おかねをつかう! 生きるのにかかせないお金のはなし [シンダーズ・マクレオド (著, 画), 田中靖浩 (訳), 大加瀬裕美 (訳)/岩崎書店]
- 発売日 :2019年11月19日
- ページ数:32ページ
『おかねをかせぐ!』と同じく幼児向けマネー絵本
子どもに読み聞かせして、大人も一緒にお金のしくみや大切なことを再確認するといいかもね
怪談をテーマにした新時代の絵本
おろしてください [有栖川有栖 (著), 東雅夫 (編), 市川友章 (画)/岩崎書店]
- 発売日 :2020年1月17日
- ページ数:32ページ
まず絵が怖いよね、絵ががががが
「怪談えほんシリーズ」は大人でも「本当に怖い」。「子ども向けにこんなものを……」って批判もあったらしいけど、みんな怖い話ってけっこう好きだし、冒険とはまた違ったドキドキもありだよね
戦争をテーマにした新時代の絵本
へいわとせんそう [たにかわしゅんたろう (著), [Noritake (画)/ブロンズ新社]
- 発売日 :2019年3月13日
- ページ数:32ページ
戦争体験者の谷川俊太郎さんが、戦争を知らない世代のイラストレーター・Noritakeさんと手がけた絵本ってことで話題になったよね
「へいわ」と「せんそう」が左右のページに並べられててとてもわかりやすい。シンプルな言葉とシンプルな絵だけど、合わさることで何か大事なことが伝わってくるね
哲学をテーマにした新時代の絵本
ころべばいいのに [ヨシタケシンスケ (著)/ブロンズ新社]
- 発売日 :2019年6月19日
- ページ数:32ページ
子どもの気持ちによりそって考えるヒントをくれる。それが哲学絵本
「きらいな人がいてもいいじゃない!」と問いかけてるのが『ころべばいいのに』。『ヨシタケシンスケ発想えほんシリーズ』は、読むと思い込みや常識が揺らぐ瞬間があって、大人にもおすすめしたい絵本だよね
社会問題をテーマにした新時代の絵本
ランカ にほんにやってきたおんなのこ [野呂きくえ (著), 松成真理子 (画)/偕成社]
- 発売日 :2020年3月19日
- ページ数:32ページ
全然知らない国から日本にやってきた女の子。日本の言葉も学校のことも何もわからない
まったく違う環境の中に入るのって不安だよね。転校だけでもきついのに、外国からとなるとなおさら。グローバル時代の子どもたちに読んでほしい絵本だね
おしまい。
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