『よむかも』な本の基本情報
- 著者 :ダニエル・サスキンド
- 翻訳 :上原裕美子
- 出版社 :みすず書房
- 定価 :4200円+税
- 発売日 :2022年3月14日
- 単行本 :400ページ
- ISBN-10:4622090708
- ISBN-13:978-4622090700
『よむかも』な本のポイント
- AIがオラ達の仕事さ奪っていくだ問題な。
- 働かなくていいならそれに越したことはないと思うんだけどな。
- そう単純な話でもないみたいな?
『よむかも』な本のレビュー
- 『WORLD WITHOUT WORK:AI時代の新「大きな政府」論』よむかも。
- AIによって大失業時代が幕を開けるんじゃないかっていう懸念。
- 最近よく議論されているらしいんだけど、聞いたことある?
- 近い将来、日本の労働人口の約49%が機械に代替される!?
- ――って話も。
- ただ、そんな懸念は昔からあった話。
- 「過去の歴史を振り返れば、技術による失業は常に短期間に解消されてきた」
- それが話題にのぼるたびにされてきた反論なんだって。
- 確かに安心感がある。
- されど、その楽観論は危険だと警鐘を鳴らしているのがこの本。
- これまでの技術革新がなぜ労働需要の消失を生まなかったのか?
- それは常にポジティブな効果がネガティブな効果を上回っていたから。
- すなわち「労働補完」が「労働代替」を上回っていたから。
- 短期的には技術革新で仕事を奪われる人が出てくるのは確か。
- でも、ある程度時間が経つと別の仕事が与えられた。
- 結果として社会の経済規模は拡大してきたのがこれまでの流れ。
- しかしてしかし、この関係は近い将来逆転する。
- 「労働代替」が「労働補完」を上回る時代がやってくる。
- そんな風に説く論考は、類書にはない切れ味があるって。
- 知的にハァハァするって(いや、ハァハァしてる場合じゃないって)
- では、どうすればいいのかって?
- 著者は3つのイニシアチブをご提案。
- すなわち「所得の分配」「資本の分配」そして「労働の分配」である。
- まぁ前2つは分かるよね。
- つきつめればベーシックアセットみたいな(たぶん)
- でもそれだけじゃあ不十分。「労働の分配」も必要だって、その理由は?
- 「人が生きていくには所得と資本だけでなく『意味』が必要である」
- (う~ん、まあわからなくもないんだけど、なくてもよくねって私だけ?)
- 補償によりギリギリ生きていける、でもそれだけじゃあ精神的に荒廃する。
- この本では、そんな事例が紹介されているんだそうな。
- さらに、コロナ禍で明らかとなった「労働市場の機能不全」もあるある。
- そこまで社会に有用でない労働に莫大な報酬が支払われ。
- 対して社会に欠かせない仕事にはわずかな報酬しか支払われず。
- (日本でいうと運送業者の悲哀みたいな? まぁ他にもいろいろあるけど)
- そんな矛盾が、世界中で明らかとなった。
- さらにその上、労働の需要そのものに枯渇が起きたらどうするの?
- とくにエッセンシャルワークの労働需要だいじ。
- こればかりは政府が生み出し、労働市場とは別に価値づけすべき。
- それが著者の結論だって。
- とはいえ、ちょっとラディカルすぎてついていけない人もいるかも。
- しかし「人間 vs. 機械」といったこの構図。
- SF映画なんかで一時期流行った題材だけど、もはや無視できない問題に。
- そんなこんなで今読んでおいて損はない一冊みたいな。
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