『よむかも』な本の基本情報
- 著者 :細田昌志
- 出版社 :新潮社
- 定価 :2900円+税
- 発売日 :2020年10月29日
- 単行本 :560ページ
- ISBN-10:4103536713
- ISBN-13:978-4103536710
『よむかも』な本のポイント
- 第43回「講談社 本田靖春ノンフィクション賞」受賞!
- 読む人によって注目すべき人物が違うのも面白い。
『よむかも』な本のレビュー
- 『沢村忠に真空を飛ばせた男:昭和のプロモーター・野口修 評伝』よむかも。
- この本は副題にもあるとおり、野口修の評伝。
- 彼の生涯を短くまとめると――
- キックボクシングを創設、沢村忠と五木ひろしを世に送り出した。
- 昭和の伝説的プロモーターである。
- 野口が生まれたのは1934(昭和9)年1月。
- そのとき父親の進は、若槻礼次郎元首相への殺人未遂罪で獄中にいた。
- 犯行時、進は日本一の人気を誇る拳闘家でありながら右翼団体に所属してた。
- 出所後、服役中に結びついた児玉誉士夫の誘いを受け、一家で上海へ。
- 野口興行部を興し、現地の日本兵向けに慰問興行を催す。
- ディック・ミネ、淡谷のり子などを招聘した。
- 戦後、三迫仁志を擁して野口拳闘クラブを立ち上げる。
- 29年には、日本ボクシング使節団の団長としてマニラにも遠征した。
- 副題にある野口修よりも、こちらの父親に魅力を感じる人も少なくないかも。
- 稀代の拳闘家にして右翼活動家――
- 芸能事務所の経営を経てボクシングジムを興し、日本チャンピオンを育てた。
- そんな男を父親にもった息子は、いったいどんな気持ちだっただろうか。
- 強烈なエディプスコンプレックスを抱えていたのではなかろうか?
- とはいえ父から学び、自分なりの才覚と交渉力で新たな分野に挑んだ修。
- 沢村と五木はその成果の象徴だ。
- 野口家二代にわたる波乱万丈の顛末は、昭和史の陰と陽を見せつける。
- 10年の取材と執筆、資料に当たり、当事者や遺族に粘り強く話を聞き続けた。
- 著者の労力が伝わってくる名ノンフィクション。
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