『よむかも』な本の基本情報
- 著者 :大津留厚
- 出版社 :岩波書店
- 定価 :2500円+税
- 発売日 :2021年4月13日
- 単行本 :172ページ
- ISBN-10:4000614630
- ISBN-13:978-4000614634
『よむかも』な本のポイント
- ハプスブルク帝国はいかにして潰えたか。
- 捕虜の視点から描くよ。
『よむかも』な本のレビュー
- 『さまよえるハプスブルク:捕虜たちが見た帝国の崩壊』よむかも。
- 1914年6月、サラエボ事件を契機に、欧州は同盟国と連合国にわかれ、大戦争。
- (同盟国:ドイツ帝国、ハプスブルク帝国、オスマントルコ帝国)
- (連合国:英、仏、ロシア帝国)
- それが、のちに第一次世界大戦といわれる戦争。
- 1918年11月に終結し、4帝国が崩壊した。
- 700年にもわたるハプスブルク帝国はいかにして潰えたか。
- この本は、捕虜兵士の手記、外交文書から崩壊の現場を描いてる。
- 帝国軍は主にロシア軍と対峙。
- 開戦初年度に25万人、最終的に220万人が捕虜となった。
- 彼らはシベリアに点在する収容所に入れられた。
- 1917年にロシア革命発生。その混乱に乗じて多数の捕虜が脱走。
- 脱走した捕虜たちは、当時中立国だった中国の東北部へ逃げ込んだ。
- そして、帝国に帰還した彼らを待っていたもの。
- 「ロシアなんぞの捕虜になりやがって」
- 屈辱的な歓迎、後備部隊への編入――。
- このような対応に憤りを覚えない者がはたしているだろうか。
- 帰還兵たちが起こした反乱は帝国内に広まり、帝国を内部から弱めたのだ。
- その後、中国が連合国側で参戦。帰還前の兵士は敵国兵として拘留される。
- シベリアに留まった帝国軍捕虜は1923年まで帰国の途が開かれなかった。
- (ソ連での内戦、シベリア出兵のため)
- 旧帝国の版図には民族自決に基づいて多くの国家が誕生した。
- が、第2次世界大戦後にソ連の衛星国とされてしまう。
- こうした国々が「スターリンの桎梏」を脱する起点――
- 「汎ヨーロッパ・ピクニック」
- (東独市民をハンガリー経由でオーストリアに逃がす)
- これがベルリンの壁崩壊につながる。
- そして、このピクニック計画に深く関与した人物は――
- オットー・フォン・ハプスブルクだった。
- (第一次世界大戦は、幼女戦記とか売国機関を読んで興味津々です)
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