生きるとか死ぬとか父親とか

文学・評論
  • 『生きるとか死ぬとか父親とか』よむかも。
  • 著者:ジェーン・スー 出版社:新潮社
  • 定価:550円+税 発売日:2021年2月27日 文庫:256ページ
  • ISBN-10:410102541X ISBN-13:978-4101025414
  • 父は77歳。娘の私は42歳。母は18年前に他界した。
  • 父と娘はバラバラに暮らしてる。母亡き後、同居を試みたことも2度ほど。
  • でも、散々な思いをしてあきらめた。
  • この本は、エッセイだって。(2018年発売の単行本の文庫化)
  • (2021年、吉田羊さん國村隼さん主演の深夜ドラマの原作だって)
  • 「私が父について書こうと決めたのには理由がある」
  • 「彼のことをなにも知らないからだ」
  • 「母は、私が二十四歳の時に六十四歳で亡くなった」
  • 母の口から、彼女の人生について聞けなかった。
  • それを娘の私はとても悔やんでいる。
  • かくしてそれから約2年間(2016~2018年)、娘と父とは交流を重ねる。
  • たびたび連れだって墓参りに出かけ、ファミレスなどで食事をした。
  • 話を聞きだそうとする娘、いつものらりくらりとかわす父。
  • 何を聞いてもはぐらかされる。
  • 「ねえ、お母さんとどうやって知り合ったの?」
  • 「いい女だから家について行ってそのまま住み着いた」
  • 「東京大空襲のときにはどこにいたの?」
  • 「沼津だよ。疎開した」
  • 親子の会話なんてそんなもの。
  • 「沼津では、焼夷弾がバラバラ落ちてくるところを逃げたよ」
  • なんて読み進めてると、
  • 「で、逃げる途中でおばあちゃんを捨てたの」
  • 虚をつかれる。次第に家族の過去が明らかになる。
  • 父は、かつては羽振りのよい貴金属商だった。
  • 30代にして事務所と自宅を兼ねた4階建ての家を建てた。
  • そして財産を失った。母以外の女性の影も。
  • 小説の主人公になりそうな父。一癖も二癖もある人物だ。
  • 父と娘の微妙な距離感。
  • 「死して尚、母は我が家の潤滑油である」(ってすごくよくわかる?)
  • ノンフィクションでも私小説でもない、エッセイならではの味があるって。
  • (親の人生を聞くの楽しそう。でも意外と衝撃的内容だったらどうしよう)
生きるとか死ぬとか父親とか (新潮文庫)
生きるとか死ぬとか父親とか (新潮文庫)

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