『よむかも』な本の基本情報
- 著者 :アン・アプルボーム
- 翻訳 :三浦元博
- 出版社 :白水社
- 定価 :2200円+税
- 発売日 :2021年4月28日
- 単行本 :214ページ
- ISBN-10:4560098360
- ISBN-13:978-4560098363
『よむかも』な本のポイント
- 今、民主主義は否定され、権威主義が台頭してる?
- 歴史の逆流が起こり、民主政治の黄昏がきてる?
- あなたは最悪の民主政治でも最良の専制政治に優ると思う?
『よむかも』な本のレビュー
- 『権威主義の誘惑:民主政治の黄昏』よむかも。
- この本は「なぜ歴史の逆流が起こるのか?」
- 世界が「民主政治の黄昏」に直面しているとし、その理由を分析する。
- 私たちは「世界はより民主的なほうへ進歩している」って考えがち。
- でも歴史を詳細に検証すると、常に「逆流」があるんだって。
- 現在、民主主義を否定し権威主義を擁護する勢力が台頭する。
- 民主主義のモデルである米国ですら、現在、民主主義は危機に瀕している。
- これがまさに「歴史の逆流」そのものだといえるんだって。
- 「文明はすでに無秩序と専制政治に向かっている可能性がある」
- 「適当な条件がそろえば、いかなる社会も民主政治に背を向ける」
- 「権威主義は、複雑さに耐えられない人びとにわかりやすくアピール」
- これらは陰謀論が生まれる土壌となる。
- この本の分析の優れた点「斬新な知識人論を展開している」
- 権威主義を「ポピュリズムの台頭」と、ありきたりな枠組みで分析しない。
- 権威主義や反民主主義を主張する「知識人」の存在に焦点を当てる。
- 冷戦終結後、反共で結束していた知識人は分裂を始める。
- 行き過ぎた権利の行使が社会に倫理的荒廃をもたらしたと考える右派知識人。
- 「極右の至福千年説信仰」と「極左の革命ニヒリズム」を結びつけた。
- 結果、トランプという怪物を生み出した。
- そして、公然と民主主義の暴力的な破壊さえ主張し始めているという。
- 読めば、日本も決して例外ではないと感じられるはず。
- 民主主義の理念の空洞化が進み、右派知識人が大きな役割を果たしてる。
- この本は、海外の政治事情の前知識がないと難しいって。
- でも、苦労してでも読む価値があるんだって。
- (民主政治の腐敗を目の当たりにすると最良の専制政治の方がいいかも)
- (でも「私は最悪の民主政治でも最良の専制政治に優ると思っている」)
- (って、ヤン・ウェンリーさんも言ってたし)
権威主義の誘惑:民主政治の黄昏
トランプとトランプ主義を可能にしたものは何なのか 米国のトランプ政権下で進んだ民主政治の衰退と権威主義の台頭、イギリスのジョンソン首相とブレグジット、ポーランドの「法と正義」のカチンスキ、ハンガリーの「フィデス」のオルバーンといった元首の登...
コメントする?