救国のアーカイブ:公文書管理が日本を救う

社会・政治

『よむかも』な本の基本情報

  • 著者      :倉山満
  • 出版社   :ワニブックス
  • 定価      :1300円+税
  • 発売日   :2021年5月12日
  • 単行本   :254ページ
  • ISBN-10:4847070593
  • ISBN-13:978-4847070594

『よむかも』な本のポイント

  • アーカイブを利用して揚げ足取りたいわけじゃないんだよ?

『よむかも』な本のレビュー

  • 『救国のアーカイブ:公文書管理が日本を救う』よむかも。
  • そもアーカイブとは?
  • 記録保管所、そこに収納される公文書や古文書のこと。
  • では『ぶんしょ』と『もんじょ』の違いは?
  • 古文書学では、相手方に伝えたい用件が書かれているものは『もんじょ』
  • この本の伝えたいことは、一つ。
  • 公文書のアーカイブ構築のみが、結果として国家を守ることにつながる。
  • 歴史学の世界なら、1次資料と2次資料の区別は厳格。
  • なのに報道や政治の世界では、2次資料が決定的な証拠のように扱われたり……。
  • この本の重要な指摘の一つに「日本の官僚の無謬性」がある。
  • 無謬とは、思考や判断に誤りや誤謬がないこと。
  • 無謬性とは、思考や判断に誤りや誤謬があるべきではないと考える性向。
  • すなわち、政策が失敗したときのことを考えたり議論したりしてはいけない。
  • そんな信念が、日本の政府や官僚組織の中にはほとんど無意識のうちにある。
  • 「日本の官僚の無謬性」を前提とすれば、前例主義が正当化される。
  • (前例主義とは、過去の前例が機能しないのにその見直しをしない)
  • それすなわち、改革の足かせとなる。
  • そして、これはアーカイブ構築の支障ともなっている。
  • 官僚は、マスコミや野党から過去の失態を指摘されることを恐れる。
  • よって情報公開法施行以降、あえて短め設定の保存年数を超えた文書を廃棄。
  • これは情報公開対応とアーカイブとを混同した愚行ではなかろうか。
  • アーカイブは政治的に中立。
  • が、その重要性を唱える学者には左派が多い。
  • ゆえに政府・官僚はアーカイブ構築に無関心、消極的。
  • この現状、長い目で見たとき極めて不幸であると言わざるを得ないであろう。
  • (過去の失態は素直にごめんなさい、だからそれをつぎに活かしたい)
  • (官僚がそう思えるムードをつくらなきゃいけないんだろーなー)
  • (でも官僚らの腐敗が酷すぎてそう思えないこの気持ち……)
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