- 『危機の世界史』よむかも。
- 著者:ダン・カーリン 翻訳:渡会圭子 出版社:文藝春秋
- 定価:2000円+税 発売日:2021年2月25日 単行本:296ページ
- ISBN-10:4163913351 ISBN-13:978-4163913353
- 原題は「終わりは常に近くにある」
- この本のテーマは「なんらかの意味での文明の終焉」
- 「育児を巡る歴史的変遷」
- 「アッシリア帝国やローマ帝国の崩壊とその背景」
- 「冷戦時代の全面核戦争への恐怖」
- 「パンデミックの序章」
- などなど、取り上げられるトピックは多岐にわたる。
- 普段生活してる中で「世界の終わり」を意識することってあんまりない。
- (終末系の漫画とか読んだときくらい?)
- 世界の終わりは決して絵空事ではないって感覚。
- 怖いけど、たまにはちゃんと意識したい。
- よむかも、な理由は、そんなときに出合ってしまった本だから。
- 著者の人は、歴史を語るポッドキャスト番組で人気なジャーナリストさん。
- (「ポッドキャストって何?」ってなったけどYouTubeみたいなものみたい)
- 「素人」ならではの独自の視点で「終わり」に関わる歴史出来事を検証する。
- って、面白そうって思ったよ。
- 著者の人は素人ではなさそうなんだけどね。
- 専門家じゃないよって意味なのかな?
- 興味深し。
【追記】
- 理性は本能の前にいとも簡単に膝をつく。そして判断を誤る。
- 文明は大自然の前に、いや人間の原初的な生理の前に、跪く。
- 恐怖や不安、理屈なんてもんじゃない。
- もっと単純な快不快次第で、人間は知性教養を容易にかなぐり捨てる。
- そして社会は秩序を失い、文明は敗北する。野蛮へと逆戻りする。
- だって見てみなよ。「疫病」の2020年を。
- 衛生と差別が容易く結びついた。
- 分断が意識され、不安を抱えた人たちが他者を取り締まる。
- 陥れる。抜け駆けする。怒号と暴力の渦の中でそれぞれの正義を主張する。
- ほら、危機に瀕した社会の脆さがわかるでしょ?
- 『The End is Always』(終末はいつだって近い)
- この本の原題のとおり。
- この度人類を襲ったのはたまたま治療法のなかったウイルスだった。
- しかし病気と同じくらい、大衆の恐怖、不安、不合理な行動がもたらす危険。
- つまりは「ウイルスよりも人間のほうがアブナイ」って肌で実感したはず。
- 青銅器文明の崩壊、巨大帝国アッシリアやローマの消滅、
- 黒死病、核戦争寸前だった2週間――
- 歴史を見れば、世の中がひっくり返り、終末が近づいた時代が何度もあった。
- そんな危機の世界史からは、今ここにある危機を生き抜くヒントがあるって。
- これまでヒットした文明史本は、歴史学者や思想家によるクールな翻訳もの。
- この本の新しさは、人気ポッドキャスト・ジャーナリストによるもの。
- 非オーソドックスであり、なかなかにロックな本だって。
- 『ハードコア・ヒストリー』
- それが著者の人のポッドキャスト番組名。キャッチ―なタイトルからわかる。
- 学校では教えてくれないマニアックな切り口の歴史を名調子でしゃべくる。
- (累計1億ダウンロードって凄ー)
- 「終末はいつだって近い」って「終末は近い」って煽る聖職者を皮肉ってる。
- パンデミックがどのように人口を減らしたか?
- 大帝国はどう崩壊したか? 最終兵器はいかようにして落とされたのか?
- 文明の終焉、終末に固執した著者の人の視点は面白いって。
- すべてを最終的には生き延びてきた人類のタフネスの変遷も論じられてる。
- スパルタンの軍人と現代の軍人の「強さ」はどう違う?
- 叩かれて虐待されて育った子供たちの社会は強いのか?
- 叩かれず虐待もされずに育った子供たちの社会よりも?
- 結局、どの文明も他の何かに上書きされてきた。
- 現代だって、後世の歴史家から見れば、終末の真っ只中かも……?
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