- 『コロナショックの経済学』よむかも。
- 編著:宮川努 出版社:中央経済社
- 定価:2500円+税 発売日:2021年4月22日 単行本:208ページ
- ISBN-10:4502385913 ISBN-13:978-4502385919
- 新型コロナウイルス感染拡大。
- 言わずもがな、日本経済は大きなダメージを受けた。
- 2020年末までにコロナショックが日本経済に与えた影響を実証的に考察。
- 当然ながら、コロナショックの影響は産業別で異なる。
- 人の流れが止まり莫大な損失を出している業界がある。
- 他方で、さまざまなオンライン化で潤っている業界も。
- コロナ禍で経済は停滞、なのに株は上がった。
- コロナ対応のため、政府の財政金融政策が株高を支えていたからだ。
- (これがコロナ禍下でも株価が上がってた理由か。初めて気づきました)
- しかし、自粛自粛ぅばっかり。
- そんな政策対応が成功したとは言いがたい。
- 感染拡大後1年以上が経過しても、混乱や不備・不足が続いた。
- (コロナ医療やワクチン供給体制などなど)
- これは政策の失敗と言わざるを得ない。
- ベッド数はある。しかしその多くは中小の医療機関が占める。
- そして感染症に精通する高度な医療従事者は少ない。
- この本が指摘する、コロナ禍における医療現場の実情である。
- 中小企業数が多い産業構造。
- 有能な人材が不足している。
- それはまさに日本経済全体の縮図である。
- 経済力や技術力が失われた平成の30年間があった。
- そのために今、日本経済は構造的な危機に瀕している。
- 医療分野における非効率な構造を露呈させたコロナショック。
- 感染症の試算として数学予測モデル(SIRモデル)が古くから活用されてきた。
- 経済学では「SIR+経済モデル」が注目されている。
- (SIRと経済行動を結びつけ、感染症抑制と経済活動との相互依存関係を計測)
- 第3章は「自発的ステイホーム」という選択肢を取り入れ、このモデルを発展。
- (感染第1波について説明力が高い試算を紹介している)
- 第5章では、韓国のコロナ政策を扱う。
- ロックダウンせず、徹底した隔離政策と感染者追跡を実施。
- その背景には、中国依存経済と自営業の多さがあった。
- その施策は、短期的には成功した(要因としてデジタルの駆使がある)
- しかし中長期的な成果は不透明だという。
- 第6、7、8章はデータに基づく実証分析。
- 企業退出、失業、働き方――それらにコロナショックがもたらした影響。
- それを産業別、地域別に考察。
- 近年、さまざまなビッグデータが利用可能となっている。
- それを用いて、コロナ危機の経済分析が本格化している。
- この本は日本経済の停滞にも焦点を当てる。
- コロナショックの影響を定量分析する試みとして有益なだけじゃない。
- 平成以降の経済・社会の閉塞感。それを打開する方策を考える参考になる。
- コロナ危機を踏まえて、日本経済の構造問題に関心が高まっている今。
- そこに興味を持つ一般読者、とくに若い世代におすすめだって。
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