オン・ザ・プラネット

文学・評論

『よむかも』な本の基本情報

  • 著者      :島口大樹
  • 出版社   :講談社
  • 定価      :1500円+税
  • 発売日   :2022年1月14日
  • 単行本   :178ページ
  • ISBN-10:4065269458
  • ISBN-13:978-4065269459

『よむかも』な本のポイント

  • それが若さか。みたいな。

『よむかも』な本のレビュー

  • 『オン・ザ・プラネット』よむかも。
  • 『鳥がぼくらは祈り、』で群像新人文学賞を受賞した作家さんの2作目だって。
  • 大学生の善弘、トリキ、スズキ、マーヤ。
  • ある日車に乗り込んで、映画を撮るため鳥取砂丘を目指す。
  • 映画のテーマは「世界の終わり」
  • ドライブの道すがら流れる時間、通り過ぎる景色。
  • 溶け込むように、4人の会話や思念が展開されていく。
  • (目的もなく集まって、ダラダラ喋るのが楽しいみたいな雰囲気なんかね?)
  • 4人のする何気ない会話が観念的な思考を呼び起こすって。
  • 例えば、記憶。
  • マーヤは、中1の時に出会った少女について、ふと語り出す。
  • 犬の散歩コースである海岸。
  • 少女は自分よりも1級上。
  • 学校ではいじめを受けているらしい。
  • 後に自ら命を絶ったとの噂があって……。
  • とくに何のきっかけもなく、マーヤの昔の記憶がよみがえる。
  • 記憶とはなんだろう。
  • 思い出そうとしても思い出せない、思い出そうとしていないのに思い出す。
  • ただ、人の自己同一性について、記憶は大きなものではないか。
  • 自分とは記憶の集積なのではないか。みたいな。
  • 意識と無意識の曖昧さ。虚構世界とリアリティに対する考察みたいな。
  • 虚構であれ現実であれ、その世界に向き合っているのは自分に他ならない。
  • 人は他人が感じている世界をそのまま知ることはできない。
  • 例えば、単語。その単語についてどういう経験を積んできたか。
  • それによって、使い方や感じ方が人それぞれ違ってくるはず。
  • しかし、普段私たちはそれが自明のように共有し、扱っている。
  • そして、そういうこともまた、個人の記憶に深く関わっているような。
  • そんなダラダラ。思考ダラダラ。
  • そして、世界の終わりを描く映画は完成する。
  • そんな小説のラストには意外な展開が待っているらしい。
  • そこで読者が体験するのは、ひとつの世界の在り様であるだろうとのこと。
  • ロード&ムービー・ノベル。
  • 言葉の風景が色濃く頭の中を流れていく。
  • そんな読後感がある小説なんだって。
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