- 『アマルティア・センの思想』よむかも。
- 著者:ローレンス・ハミルトン 翻訳:神島裕子 出版社:みすず書房
- 定価:4200円+税 発売日:2021年1月20日 単行本:304ページ
- ISBN-10:4622089696 ISBN-13:978-4622089698
- アマルティア・センとは。ノーベル経済学賞受賞者。
- 多彩な分野を横断する希有な学者の人。
- (……って、つまりアマルティア・センさんってことか!?)
- 経済哲学、経済開発論、社会的選択理論、飢餓の実証研究などなど――
- 多彩な研究で世界的な評価を得てきた。
- 近年では、人権問題や民主主義を巡り、踏み込んだ議論も展開してる。
- そのため、政治思想の観点からも関心が集まっているらしいね。
- この本はそんな大思想家の全体像を批判的に描いてるんだって。
- 特に戦慄的なのが、若きセンが既存の厚生経済学を内在的に批判したところ。
- そこから「ケイパビリティ」って独自の概念を練り上げていくところ。
- その過程を描いていくところってね。
- (ケイパビリティ = 潜在能力)
- センは、貧困問題に関する実証研究でも大きな成果を上げたそう。
- 飢饉の多くは食料不足で生じるわけじゃない。
- 貧困に対する誤った考え方や制度ゆえに生ず。
- ゆえにその思考習慣や制度が悪の根源である。
- その克服のため、独自の貧困指標も提案。……でも。
- センのケイパビリティ論や民主主義論。
- これを具体例に適用するってなると、どうもはっきりしないんだって。
- センはロールズの正義論を批判してる。
- グローバルな視点によってこそ客観的な正義の基準を見つけられるって。
- (グローバルな視点 = 開かれた不偏不党性)
- これはアダム・スミスのいう「公平な観察者」を発展させている。
- それはたしかに希望を抱くに値するアイデアかも。しかして……
- センは前に「ハルサーニの厚生経済学理論」を批判するとき――
「普遍的倫理より個別の文脈に埋め込まれた倫理のほうが大切」
- との指摘をしていなかったっけ???
- 何かに共感する、コミットする。
- そうしなければ見えてこない価値があるって。
- 普遍と特殊。
- どうもセンは、この相反する倫理の問題を解決していないみたい。
- だから、政治的リアリズムの観点から見て楽観的にすぎる――
- ってゆーのが、この本の著者の人の批判なんだって。
- (著者の人は、現実主義の政治理論家の人みたいね)
- センは実践の場面では「政府よりも市民団体に期待する」傾向があるという。
- センの理論を活かすにはもっと現実の権力関係に切りこんでくべき。
- 市民一人一人が自分たちのケイパビリティを鍛えていくための概念図式。
- それを提起すべき。――この本では、センの自由論を積極的に読み込む。
- そして「実効的な力としての自由」という解釈を提起する。
「他律的選択であっても、自分の潜在的な諸能力に気づき、それを発揮する」
- そうなれるように、センの思想を発展させるべきってね。
- (って、むずかしい……よーするに理想主義だけじゃダメってことなのかな?)
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