『よむかも』な本の基本情報
- 著者 :井上智洋
- 出版社 :NHK出版
- 定価 :880円+税
- 発売日 :2021年5月11日
- 新書 :240ページ
- ISBN-10:4140886536
- ISBN-13:978-4140886533
『よむかも』な本のポイント
- アベノミクスでも賃金は上がらず、需要も回復しない……。
- 長引くデフレ不況、そして新型コロナの流行。不況は続くよ、どこまでも。
- 近い未来、AIの進歩で雇用がいくつも失われ、格差が拡大するといわれる。
- 日本経済を復活させるために必要なのは「国民への大胆な現金のバラまき」
- ――とか言うと印象よくないかもだけど、要は「需要の喚起」ということ。
- この本は、その方策となる「追加型ベーシックインカム」の必要性を解説。
『よむかも』な本のレビュー
- 『「現金給付」の経済学:反緊縮で日本はよみがえる』よむかも。
- 2020年4月に「特別定額給付金」として10万円の給付があったよね。
- 簡単にいえば、これが実質的な「ベーシックインカム」だったそうな。
- ベーシックインカムとは。
- 生活に必要な最低限のお金を政府が国民に給付する制度のこと。
- 生活保護みたく「困ってる人」にだけ配るのじゃダメ。なぜか?
- 不公平だから。
- 例えば、現金給付を受けられる人に所得制限を設けた場合。
- 年収「1円の差」で給付を受けられる人と受けられない人に分かれる。
- スピード感も出せない。
- 所得制限では、受給資格の審査や事務手続きが膨大になるから。
- ならもう国民全員に現金配って、お金持ちからは後から税金で回収しよ。
- コロナの現金給付は生活の安定が第一目的、けど需要喚起も期待できる。
- 日本経済の停滞は、需要の落ち込みが大きい。
- 現金給付で生活の不安を取り除き、停滞している需要を喚起する。
- そのための反緊縮論、ベーシックインカム的な政府による現金給付。
- 景気を良くするために、日本では伝統的に公共事業が使われてきた。
- (「ケインズ主義」と呼ばれるマクロ経済政策)
- その後、金融政策で景気を良くしようって考えが出てきた。
- (新ケインズ主義―ニューケイジアン―)
- アベノミクスがまさにこれを重視してたけど、結果は言わずもがな。
- でも言っちゃうと、庶民までお金が落ちてこなかった。
- だったらもう「政府が国民に直接お金を配ればいいじゃん」(現ナマ派)
- そして具体的に「現ナマ」を配る方法が、ベーシックインカム。
- デフレ不況長期化の懸念、AI技術の発展により雇用が失われる恐れ――。
- 今後、人々の暮らしと経済を底支えするベーシックインカムの導入は不可欠。
- この本で書かれているのは「2階建てのベーシックインカム」
- (固定ベーシックインカム+変動ベーシックインカム)
- 固定ベーシックインカムは、税を財源に毎月一定額を国民に支給する。
- 変動ベーシックインカムは、日銀が国債を買い取り、そのお金を給付。
- (後者はそのときの経済状況に応じて行う一種の景気対策と考える)
- ベーシックインカムが導入されると、社会保障制度が廃止される?
- それ「代替型」
- 今の社会保障制度の一部をベーシックインカムが担う「中間型」
- 今の社会保障制度はそのままに月7~10万円の給付を行う「追加型」
- まずは追加型から。徐々に中間型を目指すべし。
- ベーシックインカムへの理解を深める一冊だって。
- (ベーシックインカムいいね。でもデメリットとかもあるのかな?)
「現金給付」の経済学: 反緊縮で日本はよみがえる (NHK出版新書 653)
いま、何が本当に必要なのか? アフターコロナの日本経済を活性化するためには、政府が膨大な現金をバラまいて需要を喚起し、緩やかなインフレ好況状態をつくり出すことが必要だ。いかにしてそれは可能か? そこには何の問題もないのか? 日本経済の行き詰...
コメントする?