- 『バブルの経済理論:低金利、長期停滞、金融劣化』よむかも。
- 著者:櫻川昌哉 出版社:日本経済新聞出版
- 定価:4500円+税 発売日:2021年5月21日 単行本:504ページ
- ISBN-10:4532358868 ISBN-13:978-4532358860
- 「r<g」(利子率<成長率)
- 利子率が成長率を下回るとき、バブルは必然化する。
- この本は「バブル経済」の本質を歴史と理論から解明する経済学書だって。
- (うん、これだけでもむずかしそう)
- 世界的に株価が上昇中、上昇中……。
- 新型コロナウイルス禍で、経済活動が抑制されている今、なんで? って話。
- これがもしファンダメンタルズを超えた株価上昇ならバブル、ってまじか!?
- (「ファンダメンタルズ = 経済の本質的価値」ね)
- (はたして……?)
- まず、バブルはなぜ生じるか? 答えは、低金利である。
- とくに「経済成長率よりも低い金利」である(「r<g」)
- 主流派の経済学でも、必ずしも目の前の経済現象をうまく説明できない。
- なぜか?
- 「成長率よりも高い金利」である状況を分析しているから。
- それは今の経済では「ゼロ金利」だって話。
- 日本ではバブル崩壊(1980年代後半)以降、バブルと無縁のように思える。
- けど、じつはそうでもないかもしれない。
- 貨幣のバブルがあるかもらしい。
- 「貨幣価値が上がり続ける → 物価が下がり続ける」
- いわゆるデフレーション。
- さらに、日本銀行の量的金融緩和。
- 貨幣と交換するかたちで買い入れられている国債。
- 国債は貨幣と同等のものとして価値が過大評価されていると考えられる。
- 国債価格の上昇、それすなわち国債金利の低下を意味する。
- 過大評価されたものの評価が揺らげばどうなるか?
- もちろん、その価値は下落する。
- 今日まで国債金利はゼロでデフレだった。
- しかし明日には反転するかもしれない。
- この本の洞察は、バブルの発生と崩壊だけじゃないって話。
- 90年代以降低迷した日本経済、その核心にも迫ってる。
- 低金利だけじゃない。
- 「金融市場の不完全性」にもバブルの原因があるという。
- 「情報の非対称性や過度な金融規制 → 資金の需要と供給が調整できない」
- つまりは、需給の不均衡を補うようにバブルが生じるという。
- 今、貨幣や国債への過大な需要がそれを補っている。
- ゆえに金融機能の不全がバブルを引き起こす。
- こうした日本の金融劣化が、長期停滞をもたらした。
- さらに、円の国際化を怠った「不作為の罪」
- これが円高に脆弱な経済構造をももたらす。
- 「需要不足信仰による度重なる景気刺激策」を助長。
- 市場規律を弱め、ここまで日本経済を弱体化させた。
- 過大評価された貨幣と国債。
- 日本弱体化をたどるバブルの編年史は、物語として読者を引きつけるって。
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