『よむかも』な本の基本情報
- 著者 :織茂信尋
- 出版社 :ダイヤモンド社
- 定価 :1500円+税
- 発売日 :2021年7月8日
- 単行本 :300ページ
- ISBN-10:4478109710
- ISBN-13:978-4478109717
『よむかも』な本のポイント
- 魚屋だってDX!
- これからの魚屋は魚を引くだけじゃない!
- あらゆることを学び続けなければ!
- って、魚屋だけじゃない!
『よむかも』な本のレビュー
- 『魚屋は真夜中に刺身を引き始める:鮮魚ビジネス革新の舞台裏』よむかも。
- 皆大好きサーモンの生食、実は1980年代にノルウェーから来た新しい食文化。
- 常識をひっくり返したとき、初めて新しいマーケットが誕生する、そんな本。
- 鮮魚小売りという古い業界でこのセオリーを実践し続けているのが著者の人。
- 東信水産4代目社長、化学者を目指していたという異色の経歴を持つ。
- 日本の鮮魚小売業界は全般的に苦戦してる。
- 消費者の魚離れも大きいが、もう一つの難題は「厨房問題」である。
- 魚屋の厨房はとにかく場所を取る。
- 丸魚を捌くエリア、刺身を加工するエリア。
- 防水のため15㎝近くコンクリートを打ち込まなければならないし。
- ウォークイン冷蔵庫、冷凍庫も不可欠。
- 最終的に全店舗面積の80%に収まればいい方。
- つまり稼ぎを生み出す売り場は、残りの20%。
- 賃料のほか、魚を加工するための光熱費、水道代、人件費――。
- デフレ期以降、経営難に陥り閉店、縮小に追い込まれる鮮魚小売店が増加。
- そんな「厨房問題」を解決したのが、この本に描かれる「都内の刺身工場」
- 産地直送・鮮度抜群の魚を深夜、刺身におろし、朝一でスーパーへ。
- これまでも単品の刺身加工を手掛けるプロセスセンターはあった。
- が、複数の原材料が交差する刺身の盛り合わせはハードルが高かった。
- そこに着目、約1万5000パターンの刺身の盛り合わせが作れる刺身工場を設立。
- また、天然ものばかりでなく、養殖・冷凍ものの価値にも注目。
- エサや生け簀を工夫すれば天然魚に負けない養殖魚が育つ。
- 冷凍・解凍技術次第で旬のおいしさを通年で再現することも可。
- 生産者とともにブランディングを進める。
- 伝票処理、発注作業はオンライン化、iPadで一発操作。
- エビは「尾」、カニは「杯」、マグロは「キロ」――
- 魚種により異なるユニットが、鮮魚業界のデジタル化を遅らせていた。
- しかし、現場で丹念なヒアリングを重ね、これを実現。
- 過去のビジネスモデル、商習慣が通用しなくなる……。
- そんな壁にぶち当たる業界は決して少なくないだろう。
- しがらみにとらわれない。新しい常識をつぎつぎと築いていく。
- そんな著者の視点はビジネスパーソンにとっての新鮮な気づきとなる。
- 魚は捌けずとも、鮮魚界のインターフェースになればいい。
- そんなふうに、著者は思っているようだ。
- (ネットのレビュー・感想が、すこぶるいいね)
魚屋は真夜中に刺身を引き始める 鮮魚ビジネス革新の舞台裏
新宿伊勢丹など高級百貨店の食品フロアーで鮮魚売り場を運営する水産販売業が、著者が社長を務める東信水産(本社東京)。戦後の混乱期に創業し、高度成長に合わせてマグロやカニなど高級品を中心に取り扱い、業容を拡大して著者は4代目にあたる。3代目の父...
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