『よむかも』な本の基本情報
- 著者 :チャールズ・H・ラングミューアー、ウォリー・ブロッカー
- 翻訳 :宗林由樹
- 出版社 :京都大学学術出版会
- 定価 :2000円+税(上)(下)
- 発売日 :2021年6月10日
- 単行本 :396ページ(上)、326ページ(下)
- ISBN-10:4814003595(上)、4814003609(下)
- ISBN-13:978-4814003594(上)、4814003609(下)
『よむかも』な本のポイント
- 地球環境問題は、科学の弱点につけ込まれてしまった?
『よむかも』な本のレビュー
- 『生命の惑星:ビッグバンから人類までの地球の進化(上)(下)』よむかも。
- 宇宙が誕生したのは今から137億年前、地球上に生命が出現したのは38億年前。
- この本は、日常とはかけ離れた歴史を、科学に疎い一般読者にもわかりやすく。
- 宇宙の誕生から惑星環境の変化、人類の未来まで。小説みたいに書かれてる。
- 例えば「放射年代測定」を「預金口座」で。わかりやすい比喩で飽きさせない。
- もともと科学とは「要素還元主義」である。
- すなわち対象をできる限り細分化して自然現象を理解する。
- 物理学を創ったガリレイや精神と物質を分離したデカルトもそうしてた。
- しかし地球はあまりにも複雑で。
- 化学・生物学・地質学から、歴史学や経済学まで総動員しなかきゃダメ。
- そんな地球科学の本質を生命を追うことで見事に全体像として描出する。
- 例えば、世界中で問題となっている地球温暖化についても。
- 本当の原因は何なのか? 今後もそのまま続くのか?
- ……じつは専門家の間でも意見が割れている。
- 数十年単位のミクロで見れば、最近30年で平均気温は0.5度上昇している。
- つまり地球は明らかに温暖化に向かっていることになる。
- しかし一方で、数万年単位のマクロの視点でこれを眺めてみると――。
- 現在は暖かい「間氷期」、これから温度が下がり氷河期へ移るのは確実。
- 我々はこうした長い時間軸での思考「長尺の目」を養う必要がある。
- 過去は未来を解く鍵。それが地球科学の基本姿勢。
- そのことを知る上でもこの本は恰好の材料を提供してくれるだろう。
- もともと科学には「価値判断」が準備されていない。
- 起きた事実だけを見つめて価値や是非を判断しないようにしている。
- が、地球環境問題では、その弱点につけ込まれてしまったかたちに。
- 科学者が得た事実は、ただの事実。
- それをどう判断すべきかは、人類一人ひとりが考えなきゃいけない。
- この本には、それを考える基盤が記されている。
- みんなで読みたい二冊。
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