- 『宝塚歌劇団の経営学』よむかも。
- 著者:森下信雄 出版社:東洋経済新報社
- 定価:1600円+税 発売日:2021年2月19日 単行本:246ページ
- ISBN-10:4492503269 ISBN-13:978-4492503263
- オンラインサロン、投げ銭システム。ITビジネスの重心は、効率から感情へ。
- これを今から100年も前に実現してたのが「宝塚歌劇団」って話。
- この本は、宝塚歌劇団が今こそ注目されるべき根拠を様々な角度から提示。
- 「観客との価値観共創」
- それが100年以上続く宝塚歌劇団の強さの根拠と著者の人は説く。
- それには四つの要素が必要だという。
- 1つ目は「経験価値の重視」。宝塚歌劇団の真骨頂はその世界観にある。
- 無限の解釈が存在する男役という「虚構」を想像した。
- これが唯一無二の世界観を生み、競争のない理想的な市場につながった。
- 世界観の維持に必要なのが「経験価値」。将来が期待される男役を発見する。
- その成長と伴走しながら十数年後の退団まで見守り続けるのが宝塚ファン。
- 2つ目は「顧客との信頼関係」。これが経験価値に寄与する。
- 固定費比率の高い演劇ビジネスでは人気スターのいる演目をロングランする。
- これが王道とされるが、宝塚歌劇団はあえてロングラン公演をしない。
- チケットが売れる強い組の公演回数を増やす、それすなわち――
- 弱い組の公演回数をカットすることになりかねない。
- 3つ目は「コミュニティーの重視」。未来永劫五つの組を平等に扱う。
- と、ファン同士が対立せず、世界観を共創するコミュニティーが形成される。
- ファン同士が対立する、総選挙を行うアイドルグループとの対比が興味深い。
- 4つ目は「組織の垂直統合システム」。宝塚歌劇団が生む付加価値の源泉とは。
- 作品の企画(川上)から販売促進、劇場運営(川下)まで――
- すべてを阪急グループ内で完結させている点にある。
- 安易にコスト削減を求めて業務の一部を外部委託することはしない。
- それはファンと大切な世界観を守り抜くため。自前にこだわり続ける。
- グローバル競争社会では、商品・サービスはすぐに模倣されてしまう。
- ゆえに価格や品質で差別化することが難しくなっている。
- 今後の経営戦略の主眼は「顧客と企業が一体となって作る経験価値」
- その生き字引といえる宝塚歌劇団から学ぶべきことは多い。
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