『よむかも』な本の基本情報
- 著者 :オズワルド・シュミッツ
- 翻訳 :日浦勉
- 出版社 :岩波書店
- 定価 :880円+税
- 発売日 :2022年3月22日
- 新書 :246ページ
- ISBN-10:4004319226
- ISBN-13:978-4004319221
『よむかも』な本のポイント
- そも人新世が何かわかってなかったよ。
『よむかも』な本のレビュー
- 『人新世の科学:ニュー・エコロジーがひらく地平』よむかも。
- そも「人新世」とはなんぞや? じつは地球の歴史に関する専門用語。
- コンクリートや金属などの人工物。
- その総重量は、すでに全生物の総重量を上回ったって試算があるある。
- 20世紀の初頭、人工物の総重量は生物総重量の3%に過ぎなかったのに。
- 2040年代には現在の2倍になるとも。
- ――みたいな状況を踏まえて、人間活動が大きな影響を与えた時代。
- そんな時代を「人新世」と命名しようとしているわけね。
- この本は、人新世の影響を生態学の観点から解析。
- 世界規模で持続可能な社会を維持するためにはニュー・エコロジーが必要だ。
(ニュー・エコロジー=新しい生態学) - では、ニュー・エコロジーとはなんぞや?
- 人間と自然を一体として捉える。
- 社会経済のレジリエンスを高める。
- そのために人類は「思慮深い管財人」として自然と向き合う必要がある。
- それは端的に言えば「自然科学と社会科学の学際的融合」となる。
- エコロジーとエコノミー。じつは同じギリシャ語に由来している。
- エコロジー=オイコス(家)+ロゴス(科学)
- エコノミー=オイコス(家)+ノモス(管理)
- 学問の分化に従い、エコロジーの対象は自然界、エコノミーは人間社会。
- それらが今、ニュー・エコロジーによって再統合されていく。
- そこで、なぜ人新世への着目が重要になるのか。
- 地球の歴史の中で、人間がもたらした影響はあまりにも大きい。
(とくに産業革命以後の約200年間) - 世界の人口は70億人に達し、森林伐採による動植物の絶滅。
- プラスチックの残存といった形で地球環境に多大な影響を及ぼしてきた。
- 人新世を認定するためには。
- 地層の中で人新世の境界線をはっきりと定義できる科学的な証拠。
- それを積み上げる必要がある。
- これが実際には容易ではない。現在4段階の審査の最初に留まっている。
- 決定が先に延びるほど、人新世への突入を示す証拠は増えていく。
- しかしそれは、ゴミに埋もれる未来をも意味しているのだ。
- 持続可能な未来を考えるためには。
- 私たちは、有限の惑星に住んでいることを根本的に理解する必要がある。
- SDGsを推進する際に必要な事実と考え方を知るための好著だって。
人新世の科学 ニュー・エコロジーがひらく地平 (岩波新書 新赤版 1922)
人類のさまざまな活動は、「人新世」と呼ばれる新たな地質年代を地球にもたらした。その影響を世界規模で考え、持続可能な社会を維持するには、人間と自然を一体として捉える思考、ニュー・エコロジー(新しい生態学)が必要だ。社会経済のレジリエンスを高め...
コメントする?