『よむかも』な本の基本情報
- 著者 :佐々木勝
- 出版社 :有斐閣
- 定価 :2100円+税
- 発売日 :2021年10月11日
- 単行本 :244ページ
- ISBN-10:4641165858
- ISBN-13:978-4641165854
『よむかも』な本のポイント
- 就職では体育会系が有利だ。
- なぜならスポーツは非認知スキルを向上させるからだ。
- ただし非認知スキルは文化系サークルでも身につくんだ。
『よむかも』な本のレビュー
- 『経済学者が語るスポーツの力』よむかも。
- この本は、スポーツの力――すなわち、スポーツの効用を計量的に分析。
- 例えば「就職では体育会系が有利」っていう説あるよね。
- スポーツ活動が向上させる能力とは、非認知スキル。
- すなわち、協調性、自己管理能力、統率力などのスキルである。
- ただし、文化系サークルでもそれらは身につくよっていうオチ。
- ――こんな感じで、この本はスポーツに関する9つの仮説について語られる。
- タイトルにもあるように、語るのはもちろん経済学者。
- 社会事象に関する仮説の計量的証明に長けている。
- これまでの研究結果や著者らによる分析などご紹介。
- 使われた分析手法や注意点などについてもコラムで補足されてたり。
- だから、計量的分析手法の入門書としても読めるって話。
- とくに興味深いのは以下の2つの章である。
- 第7章:公共財としてのスポーツ選手
- スポーツ選手は非排除性と非競合性を持つ。
- 大きな外部経済をもたらす公共財である。
- (非排除性とは、誰でもタダで消費できること)
- (非競合性とは、同時に何人でも消費できること)
- この見立ては、企業支援に頼るスポーツ界への公金投入の根拠を与える。
- 第9章:高齢者スポーツは介護費用を抑制するか
- これについては限定的な分析による実証しかない現状がある。
- 今後、大規模なパネル調査などによる詳細かつ説得力ある研究が待たれる。
- (パネル調査とは、サンプル固定で長期間行う調査のこと)
- また、障害者スポーツの進展が、障害者雇用を促進するとの米国の研究も。
- 日本でもこの分野の研究は大いに期待したいよね、ってな感じ。
- (ネットの評価・感想では日本語が稚拙でストレスフルって点は注意)
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