- 答えは、シカやタヌキは歯の線を、クジラはなんと耳あかの線を数えるから。
- 長生きで知られる植物にスギがあるよね。
- 木は年輪を数えると大体の年齢が分かるのは有名な話。
- じゃあ、動物は? 動物にも、木の年輪と同様に「年齢の物差し」がある。
- それは、歯根部(歯の根っこ)にできる細かい線の数なんだ。
- 日本にはシカやクマやイノシシやタヌキが暮らしてるね。
- 山で白骨が見つかったり、狩猟した後に骨が残る。
- 動物学者はこうした骨から歯を抜いて根っこを薄く切り、顕微鏡で観察する。
- と、木の年輪と同じで一年に一本の線が残ってるのが見える。
- その線の数から、その動物が何年生きたか確かめることができるんだ。
- ……だけど、なんで歯に年齢と同じ数の線が残るんだろうね?
- その理由は「季節」にあるよ。
- 四季は食べ物が豊富な暖かいときと食べ物が乏しい寒いときが繰り返される。
- 動物の歯根部は少しずつ歯の物質を作り出して、歯の形を整えている。
- 冬の栄養不足で歯の物質が作られなくなると、その跡が線になって残るわけ。
- けれども、すべての動物で歯の線から歳が分かるわけじゃない。
- 一年中食べ物が豊富な熱帯の動物には、歯に年輪ができにくいからね。
- それから、大型のヒゲクジラにはそもそも歯がない。
- でもその代わりに、クジラは驚くべき物から年齢を知ることができる。
- それは、なんと耳あか。クジラも耳に耳あかがたまる。
- しかも、陸上の動物のように外にこぼれ落ちることがない。
- つまり、生まれてから一生涯、耳あかがたまり続ける。
- おとなで体長8mくらいのクジラには、5cmもの巨大な耳あかが残る。
- 海の環境にも季節があって、耳あかがたまる速度が季節ごとに変わる。
- クジラの耳あかを採取して切断して、その断面の線を数える。
- すると、クジラの年齢を明らかにすることができるんだ。
- 年齢は、野生動物を理解する基本。山や海を生きる動物の年齢や寿命を知る。
- それは自然に対する確かな知識と理解を深めることにつながっているんだよ。
コメントしてね!